開業時、確認必須!サロンで使用できる電圧、電力、コンセントの場所確認。
エステサロン開業時や移転した際に意外と確認を怠ってしまうのが電気(電圧・電力)の問題です。
開業後、ブレーカーが頻繁におちたり、コンセントの数が足りなかったりすると、営業に支障をきたすことが多々あります。
事前に不動産屋さんに確認したり、契約前の内見時現地で実際に確認し、ベッドや美容機器の設置場所をイメージしてみることが大切です。
電圧や電力は、サロンで使用する機器や規模によって異なりますが、一般的な基準や開業時に気を付けるべきポイントを以下にまとめました。
電圧と電力の基本
家庭用電源(日本の場合)
通常、エステサロンで使用される機器は、一般的な家庭用電源(100V)で動作するものが多いです。ただし、業務用の大型機器や強力なエネルギーを必要とする機器(脱毛機など)は、200Vが必要になることがあります。
電力(消費電力)
消費電力は機器によって大きく異なり、小型のフェイシャルマシンであれば100W~300W程度、大型の痩身機器や脱毛機器では1,000W~3,000W以上の消費電力が必要になることがあります。
アンペア数(A)と電力(W)の計算式
アンペア数(A)と使える電力(W)は、以下の計算式で求めることができます。
1. 電力(W)の計算式
電力は、電圧(V)と電流(A)から求められます。
計算式:
[ \text{電力(W)} = \text{電圧(V)} \times \text{電流(A)} ]
2. 例: 100Vの電源での計算
日本の家庭用電源は通常100Vなので、これを使って具体例を見てみましょう。
20Aの契約容量の場合
[ 100V \times 20A = 2,000W ]
この場合、2,000Wまでの電力を同時に使用できます。
30Aの契約容量の場合
[ 100V \times 30A = 3,000W ]
この場合、3,000Wまで使用可能です。
50Aの契約容量の場合
[ 100V \times 50A = 5,000W ]
5,000Wまで使用可能です。
3. 200Vの場合
業務用の機器などで200Vの電源を使う場合も同じ計算式を使います。
20Aの契約容量で200Vの機器を使う場合
[ 200V \times 20A = 4,000W ]
この場合、4,000Wまでの電力が使えます。
4. 必要なアンペア数の計算
逆に、特定の電力を使うために必要なアンペア数を求めるには、次の計算式を使います。
計算式:
[ \text{電流(A)} = \frac{\text{電力(W)}}{\text{電圧(V)}} ]
例:
1,500Wの機器を100Vで使う場合
[ \frac{1,500W}{100V} = 15A ]
この場合、15Aの電流が必要です。
3,000Wの機器を200Vで使う場合
[ \frac{3,000W}{200V} = 15A ]
200Vの機器でも、15Aが必要です。
この計算方法を使えば、エステサロンで使用する機器に必要なアンペア数や、契約する電力容量を適切に見積もることができます。
エステ機器の電力要件
多くのエステ機器は100Vですが、一部200Vのものもあり、電気工事が必要になることがあるので注意が必要です。ご購入時、販売元に必ず事前に確認しましょう。
フェイシャルケア機器 100V、100W~500W程度
ボディケア機器 100Vまたは200V、500W~2,000W以上
脱毛機器(レーザー/光脱毛) 200V、2,000W~3,000W以上のものが多い
スチーマー、マッサージベッド 100V、数百W程度
開業時に気を付ける点
電力容量の確認
エステサロンでは、多数の機器を同時に使用することがあるため、契約しているアンペア数を確認し、必要に応じてアンペア数を増やすことを検討しましょう。契約アンペア数が足りないと、ブレーカーが頻繁に落ちる可能性があります。
コンセントの配置
各施術ルームに機器を設置する際、コンセントの数や位置を適切に確保することが重要です。延長コードやたこ足配線の多用は事故や故障の原因になるため避けるべきです。
電気工事業者の選定
エステサロン向けに特化した機器を設置する場合、専門の電気工事業者に相談して、必要な電力や電気工事の内容を確認するのが安全です。
機器ごとの電気要件を確認
導入するすべての機器について、事前に電気要件(電圧、消費電力、コンセント形状など)を確認しておくことが大切です。
各機器の消費電力を合計し、同時に使用した場合に電力の限界を超えないように気を付けることが重要です。
夏のエアコンや、冬のエアコン、暖房など季節に応じて使用される電力が大きく変わるので契約電圧はギリギリではなく、少し余裕をもった契約がおすすめです。
省エネ対策
電気代がサロンの運営コストに大きく影響を与えることがあるため、できる限り省エネ機器を導入することも検討するとよいです。また、施術中に使わない機器は電源を切るなどの管理が必要です。
まとめ
エステサロンで使用する機器の電力要件は多岐にわたります。開業時には、店舗の電力供給能力を十分に確認し、必要に応じて電気工事を行うことが重要です。また、省エネ対策も含めた運用計画を立てると、長期的なコスト削減につながります。